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スペインからのお便り♪



夏頃にスペインへぐい飲みをお送りして、そのぐい飲みをスペイン訪問されていた皇太子さまのお食事会で使って頂けるらしい・・・とのご報告をしました。

今日 お忙しい在スペイン大使より わざわざ お手紙を頂戴しました。
大使のお手紙には、皇太子さまには9個のぐい飲みをお盆に乗せて選んで頂いたとのこと。
皇太子さまは、なんと!私の創ったぐい飲みを選んでくださったそうなのです。
嬉しいやら 光栄やら・・・もう 感動です。
そのとき、大使が私の制作意図などを皇太子さまにお話して下さったそうです。
本当になんて幸せなことでしょうか。
在スペイン大使は、記念にと 皇太子さまの夕食会のメニューを送って下さいました。
あんまり嬉しかったので、皆様にも幸せのお裾分けを(笑)

在スペイン大使にも、心からお礼を申し上げたいです♪
うわ~ん♪ 有難うございました。
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地模様



サンドブラストは柄部分の色ガラスを残し、地を削り落します。
(ケースバイケースですが、多くの場合は・・・)
今回は その地に彫刻刀で彫ったような模様を入れてみました(画像真ん中の白地に紫の一輪挿し)
ちょっと 味が出たかな?って思いますが 如何でしょうか?

サンドブラストでは よく 使っている方法です。
ガレやドームが『ジブレ』と呼んでいた技術ですが、手法はいろいろあります。薬品を使ったり・・・私はただ サンドブラストでフリーハンドで彫りを入れているだけです。
一説によると、この技法は直圧式と言う 彫る力の強いブラスト機でないと出来ないとのことでしたが 私は循環式のブラスト機でやってみました。

結構 難しく うっかりするとガラスに穴があいてしまいます。
大変 注意しながらの作業になります。

私の作品は 地に「透かし彫り」を入れたりすることも多く(画像右側の水色地に紫の一輪挿し)、サンドブラストならではの「ぼかし」・・・色をグラデーションにぼかしていきます・・・など 表現もいくつかあり その作品によって使い分けます。

また、地はただ 色を抜いて 磨きを徹底的にかけて 半透明にすることも良くやっています。
このように 地をじっくり見るだけでも面白い発見があるかもしれませんね(笑)

ともするとデザインだけに目を留められることが 多いと思いますが こんなことも 知っておくと 通な見方が出来ます~(笑)

エミール・ガレの見どころ



前回の私の個展には、大変多くの同業の方がお越し下さいました。
ご案内状を差し上げていないのに、このブログなどをご覧になってわざわざ 地方からいらして下さったのです。
有難さと身の引き締まる想いでした。
それだけ、サンドブラストの技術・デザインなど より高いレベルを求めていらっしゃる方が存在する・・・そのことは大変素晴らしいと感じています。

少しでも、私のサンドブラストがお役にたてれば嬉しいです。
そんなこともあり しつこくガレ作品の私なりの見方を述べています(笑)こういう感性を刺激するお勉強の場って あまり無いと思うのです。

では、ガレの見どころ・・・についての私見です(笑)
ガレは個人で全て作品を作っていたわけでは無く、言わばプロデューサーでした。デザインして職人さんに指示している工場主だったのです。経営手腕もあり、魅せる作品と売る作品をちゃんと分けて作っていました。ガレのランプなどは売る作品が主で(それでも素晴らしいです)量産出来る範囲での作製になっています。
魅せる作品は 何重にも手間をかけて試験的な試みなども臆せずやっています。ですから、見るべきはガレの魅せる作品なのです。
100年前だからこそ 出来た恐るべき手間数・・・(笑)
一つの作品にどれだけの手間をかけているのでしょうか!

サンドブラストでアートを目指すなら、手間数を惜しんではいけませんね~(笑)
それは私のモットーでもあります。
ガレがそうだったから・・・と言うのではまったくありません。
美しい作品を創るためなら 手間数を面倒がってはいられないのです。(デザインで簡素に見えるものでも、それは計算された美なら問題ありません)そんな風に考えています。

今 私はランプ作製で引っかかっています。もう、1週間以上デッサンをしていますが、気に入ったデザインが描けません。
色々な時間制限もあり 呑気にしていられないのだけれど・・・。
まぁ こんなこともあります(笑)
けれど、大抵こうした場合はいい作品が生まれるので 自分でも半分苦しみながら(?)半分楽しんでいます(笑)

エミール・ガレのデザインの迫力



この画像は有名なガレの蜻蛉(とんぼ)です。
もう、いいよって言う位 まねっ子されていますね。
このトンボは瀕死で池に落ちて行くところです。
よ~く 御覧下さい。池にもうすぐ落ちるトンボの影が映っています。胸を突かれます。

こういうデザインが 人の心を揺らすのですね。

トンボは幼虫時代、水の中でヤゴとして生まれます。
そして 死してまた水に帰って行く・・・。だからガレは水に落ちて行くトンボを描いたのです。
この作品はガレが白血病でもうすぐ亡くなると自覚しているときに創られたものだそうです。

まねっ子するものが ここまでの迫力を描けないのは当然のことです。
デザインは必ず 作者のコンセプトがあります。
見た目だけの似た感じ・・・のなんと浅薄なことでしょう。

今日 北澤美術館のお土産コーナーに それは沢山の『ガレに似た感じ』の作品が置いてありました。
一通り 見終わってバスに集合したとき、同じ工芸家のある先生が私を呼び止められて「貴女の作品の凄さがよ~く 分かったよ」とお声を掛けて下さいました。
タハ!手前味噌(笑)
でも、とても嬉しかったです。
私は大したことなんてありません。けれど、デザインから起こしてオリジナルなガラス器を創っていく・・・という自負だけはあります。
そこを 見ていただけると とっても嬉しくなってしまうので~す(笑)

エミール・ガレの美しさの謎



今日 北澤美術館(諏訪)へ研修旅行で行ってきました。
恥ずかしながら 初めて・・・(笑)
ガラスのお仕事をしていて 北澤美術館 初めてなんて・・・ねぇ(笑)
多くの作品をじっくり鑑賞してきました。
いつもガレのガラス器を見て、その美しさはどこから感じるのか?どうしたら この美しさを生み出せるのか・・・と考えてしまいます。
『類まれなる感性』と言ってしまえば それまでですが、同じ ガラスに命を吹き込むお仕事をしている私には冷静な分析が欲しいところです。
ハイレベルなガレ作品を沢山見て いつも感じることがあります。
ガレは大変に優れたガラス器のデザイナーだった・・・と言うことです。そして工場主でもありました。
ですから、卓越したデザインを生かすガラス器を造ることが出来た訳です。これは現代にはなかなか 叶えられない条件です。

→・・・は私がやるとしたら(笑)の仮定
☆被せガラスを宙吹きして自分の思ったように成形してもらう→これは宙吹きガラス屋さんや宙吹き作家さんに頼みます(いい腕の職人さんや作家さんを探すのも大変ですし 高度なデザインセンスも要求されます)
☆その被せガラスをサンドブラストして彫る→手を惜しまず しかもセンスの良い丁寧な仕事が必要になります。これは私が引き受けます(笑)
☆時には 加えてグラールやマルケトリを施す→炉が必要になります(ガラスの炉は1200度とかなりの高温ですし、一度火を入れたら消すと 炉が壊れてしまうので火は燃やしっぱなしになります。これは私には無理な話ですね)

ガレは これらを使いこなすことが出来たのです。いいなぁ~♪
(笑)
勿論 当時の技術や科学と現代のそれでは雲泥の差があり、美しさを追求するガレは どれほどの知恵や工夫・鍛練が必要だったか測り知れません。
現代の科学力をもってしても 解決できないものもあります。

長くなりますので、第2段へ続きます~♪

プロフィール

reiko

Author:reiko
サンドブラスト技法を中心にしたガラス作家です。
ガラス作家の日常を面白おかしく書いています。
どうぞ宜しくお願い致します。

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