2009/06/11
売れる作品?

作家稼業をしている限り、売れる・売れない と言う言葉には反応してしまいます(笑)
今年のガラ協(日本ガラス工芸協会)の総会後のゲストを招いてのお話も『売れる作品』についてでした。
かと言って、売れることを目標にすると どうしても手間を省き時間のかからない作品を大量に創る…しかありません。
それはどうしても…わたしには出来ません。
特に サンドブラスト作家は素材は仕入れます。
被せガラスそのものが そんなに安くはありませんし、宙吹きなどになるとかなりのお値段になってしまいます。
後は 自分の利益を考えずに値段を付けるとか…(笑)
でもそれでは プロとしては やっていけなくなります。
利益なくしては 次の作品の仕入れもままなりません。
何より 生活していけません。
お客様の求めているのは、レベルの高い作品をお安く買う…ことです。通常のお買いもの感覚ですが、こと 作家ものに関しては無理があるように感じます。
レベルの高いものは それだけ手間も努力も時間もかかっています。
どうしてもお値段に反映せざるをえません。
難しいところですね。
私が常に思うことは、自分の作品の理解者を作る必要性です。
世の中には美術的な目を持った方が 案外いらっしゃいます。
美しいものを見て 感動する心を持った方達です。
そういった美的センスのある方に 作家を育てることを理解して頂く必要があるかも知れません。
ある作家の作品が好き…そういった出発点があったら、購入なさって実際 作品を手元に置いてみて下さいって申し上げたいのです。
写真で見るのとは まったく違った感覚が生まれます。
特に工芸品は 手で触って味わう感覚もあります。
お安くはありません。
多分 心からいいなぁ~って思う作品は。
ですけれど、流行の靴やバッグを買うよりはずっと実りが多いかもしれません。
流行は10年も続きませんが、美術品は一生ものです。
私は個展にいらして下さるお客様にいつもそうお話しています。
そういう地道な努力が何年もかかって 結局は実を結ぶのかなって考えています。
また、適材適所って言うのかな~?
展示の場所なども大きく影響すると思います。
現在 宮城県の仙台とアメリカのテネシー州に作品を展示しています。アメリカの方は作品を売っているわけでは無いのですが、仙台・松島は作品の販売もしています。
その展示場所にいらっしゃるお客様の層で 売上は決まると言っても過言ではありません。
ですが、どのようなお客様が集まる場所か 実際行ってみないと分かりません。また、行ったとしても天候や曜日などの条件が違ったり
読みきれないところも・・・。
それでも 一応 読んではみて(笑)
自分に合ったところを選択していっているつもり ではあります(笑)
なかなか ピッタリ!と当たったことはあまり無いのですけれど(笑)