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売れる作品?



作家稼業をしている限り、売れる・売れない と言う言葉には反応してしまいます(笑)
今年のガラ協(日本ガラス工芸協会)の総会後のゲストを招いてのお話も『売れる作品』についてでした。

かと言って、売れることを目標にすると どうしても手間を省き時間のかからない作品を大量に創る…しかありません。
それはどうしても…わたしには出来ません。

特に サンドブラスト作家は素材は仕入れます。
被せガラスそのものが そんなに安くはありませんし、宙吹きなどになるとかなりのお値段になってしまいます。
後は 自分の利益を考えずに値段を付けるとか…(笑)

でもそれでは プロとしては やっていけなくなります。
利益なくしては 次の作品の仕入れもままなりません。
何より 生活していけません。

お客様の求めているのは、レベルの高い作品をお安く買う…ことです。通常のお買いもの感覚ですが、こと 作家ものに関しては無理があるように感じます。
レベルの高いものは それだけ手間も努力も時間もかかっています。
どうしてもお値段に反映せざるをえません。
難しいところですね。

私が常に思うことは、自分の作品の理解者を作る必要性です。
世の中には美術的な目を持った方が 案外いらっしゃいます。
美しいものを見て 感動する心を持った方達です。
そういった美的センスのある方に 作家を育てることを理解して頂く必要があるかも知れません。
ある作家の作品が好き…そういった出発点があったら、購入なさって実際 作品を手元に置いてみて下さいって申し上げたいのです。
写真で見るのとは まったく違った感覚が生まれます。
特に工芸品は 手で触って味わう感覚もあります。

お安くはありません。
多分 心からいいなぁ~って思う作品は。

ですけれど、流行の靴やバッグを買うよりはずっと実りが多いかもしれません。
流行は10年も続きませんが、美術品は一生ものです。

私は個展にいらして下さるお客様にいつもそうお話しています。
そういう地道な努力が何年もかかって 結局は実を結ぶのかなって考えています。



また、適材適所って言うのかな~?
展示の場所なども大きく影響すると思います。
現在 宮城県の仙台とアメリカのテネシー州に作品を展示しています。アメリカの方は作品を売っているわけでは無いのですが、仙台・松島は作品の販売もしています。
その展示場所にいらっしゃるお客様の層で 売上は決まると言っても過言ではありません。

ですが、どのようなお客様が集まる場所か 実際行ってみないと分かりません。また、行ったとしても天候や曜日などの条件が違ったり
読みきれないところも・・・。
それでも 一応 読んではみて(笑)
自分に合ったところを選択していっているつもり ではあります(笑)
なかなか ピッタリ!と当たったことはあまり無いのですけれど(笑)


松島のガラス美術館



藤田喬平ガラス美術館へ行ってきました。
宮城県 松島の素晴らしい眺望の中に立つ、美しいガラスの美術館です。お隣のホテル「松島 一の坊」のオーナーが藤田喬平氏の作品に魅せられて 創った美術館。
藤田喬平氏のガラスを充分に堪能出来ます。
規模・美的感覚・そして美術館のスタッフのレベルも高く 素晴らしい美術館でした。

こちらの美術館の企画で 今 JABA(日本ブラストアート協会)の展示会が開催されています。
私の作品22点も展示されているのです。
6月25日までですので、是非 お出かけ下さいませ。


いや~、それにしても素敵な美術館でした。
眺望は素晴らしいし いわば自然の生み出した造形美。
それに人間の生み出したガラス作品の造形美。
双方が感動を与えます。

隣接のホテルからも この美術館へ繋がっていて ホテルのお客様が多く訪れます。
丁度 私が展示の手直しをしているときにも、お客様が何人も見えて
「素晴らしい!素晴らしい!」と独り言をおっしゃって私の作品を ご覧になっていらっしゃいました。
とっても嬉しくなりました。

恐らく その方はサンドブラスト技法などご存じ無く ただ美しいガラスだなぁ~って感じて下さったのだと思います。
神様は人間にだけ美を感じる心を与えて下さった…。これってとっても凄いことだっていつも思っています。

ものづくりに関わる一人として、どんな方にも 美しいと感じて頂ける作品を創って行きたいなぁって思う瞬間です。


クリスタルパヒュームボトル



クリスタルの香水瓶です。
ただ クリスタルと言うことでしたが、このボトル 光源で色が変化します。
ネオジウム系の色素が入っているのかな?
蛍光灯の元で見ると濃いピンク。
白熱灯や自然光では やや褐色を帯びた淡いピンクになります。
画像は 白熱灯での撮影です。

多面カットが施されているので、キラキラと光を反射します。
彫るときはカットに影響されないように深めに彫りました。
蓋の部分には 蜂さんを彫りました。
クリスタルの分厚い塊を多面カットしたとても贅沢な香水瓶です。
香水を入れる部分はくり抜いてあります。

デザインモチーフはサボテンの花です。

このボトルは幾つか仕入れましたので、色々なお花を彫り込んでみたいなぁ~って思っています。

サンドブラストの装置機械類の再考



いつもドタバタ お仕事に追われているので、気になっていることを後回し後回しにしてしまいます。
やっと一息のこの時期に、やっておかなければならないことが 結構溜まっています。

消耗品の補充(ノズルやアルミの砂やカッティングシート、真田紐などの購入をしないと そろそろ 底をついてきました)
やら 素材の在庫整理(これが大変~!)
機械類のメンテナンスや修理。

何より 一番大事なブラスト機を見直してみようってず~っと考えていました。
現在 主に使っているのは循環式(吸い上げ式・サイフォン式などと言います)
直圧式も持っています。
けれど、今回はこの循環式のブラスト機を買換え…しようかと。

今使っているものは、まだ サンドブラストを職業にするとか 全く考えていない頃に購入したものです。
酷使に耐えて本当によく働いてくれました。
ですが、サンドブラスト作家としてのお仕事には 少し物足りないと言うか 庫内もとても小さいのです。

最近 大物を彫ることが多くなってきました。
庫内に嵌ってしまう感じです。
先日の孔雀の樹ランプの台座はぴったりはまってしまい、動かすことが出来ませんでした。
通常は1方向からだけ彫っていると、均一に奇麗に彫れませんので
素材を回したり動かしたりしながら彫って行きます。

その分 至近距離で彫りかげんを見ることが出来て、それはそれで便利ではありました。

また、庫内が狭いため床板をはずしていたので 砂が舞い上がってしまいます。細かいシートが剥がれて 砂に混じってしまい すぐ詰まります。

まぁ、いいところ悪いところ取り混ぜても 使い勝手がもう今の私には物足りません。
初級中級用としては、大変優れモノでした。

この機械を購入したときはまだ 分からなかったことも少しは分かってきました。
それで、色々な機械のメリット・デメリットを調べて只今熟慮中です。

サンドブラストの機械で これはいい!とかこれは困る…などお使いの物を教えて下さると助かります。

私は機械に弱いので 自作なんて とっても無理で~す(笑)
今のところ Pと言う会社のものにしようかなって思っていますが…。
どうかな~?

画像はまったく関係無く(笑)個展のときのものです。

香水瓶コレクター



コレクター…と言うほどではないのです。
自然に集まってしまったと言った方が正しいかも~(笑)
それでも、香りはとても気に入ってよく使っているけれど ボトルは取って置く気がしなくて 捨ててしまったものの方が多いのです。
クールウォーターとかPARISとかリブゴーシュ、エタニティ、ディーン、ヒッピーアイランド・・・枚挙にいとまがありません。

香水瓶が素敵なものは、どうしてか 香りはそんなに好きじゃないものが多いです。
画像 真ん中のナルシスはラリックモデルです。
このボトルはレプリカですが、先日このレプリカがオークションで高値で取引されていました。
このボトルは伯母が亡くなったときに お形見として頂いたものなので ずっと手元に置いていたいと思っています。

レール・デュ・ターンは二羽の鳥が象られていて とても好きなボトルです。けれど、香りは甘すぎて好きでは無く、まず着けたことがありません。
何年も放っておいたら、凝縮されてブランディの色に…(笑)
香水が凝縮されたらいい香りになると思いますか?
実は凄い匂いになってしまいます(笑)

ここ数年は エルメスの「地中海の庭で」と「ナイルの庭で」が気に入っています。
やはり そのボトルは取っておくほど美しいとは思いません。
けれど 香りは大変気に入って 香りからのイメージでデッサンを描き ランプを創りました。

香りにも流行があって、少し前から盛んに果物の香りを香水に取り入れたりしていますが 私はどうも好きになれません。
自分が果物になった気分がする(笑)

ちなみに 香水はパフューム。
オーデパフューム→オーデトワレ→ オーデコロンと香りが薄くなり持続時間も短くなって行きます。
また 着ける人によって微妙に同じ香水でも違ってきたりします。

昔はヨーロッパのおばあ様が きつめの香水をつけていらしたものですが、今はアジア系のスッチーの香水がきついですね~(笑)
かくいう私も・・・娘に「お母様、くっさ~!」などと車に乗ると言われたりしておりますです(笑)
女の子は同性にとても厳しいです(笑)

藤田喬平ガラス美術館での展示



2009年6月6日(土)~25日(木)まで
宮城県の松島にある 藤田喬平ガラス美術館にて作品の展示があります。
初めての東北での展示になります。
松島は日本三景の一つとして風光明媚な名所ですので、是非いらしてみてはいかがでしょう。

私も展示期間に行ってみる予定でいます。

今回は『日本ブラストアート協会』通称JABAと言う団体の展示で18名のサンドブラスト作家の方方が作品を展示なさいます。
なかなか 見ごたえのある展示になるのではないでしょうか。
私もとても楽しみにしているのです。

私の展示作品はほとんど新作で22点を送りました。
例の「孔雀の樹 ランプ」も含まれています。
リキが入ってます~(笑)
こちらの展示をご覧になると、サンドブラストの幅の広さや多様さ
また 作家さん達の頑張りや創意工夫などが良く分かるのではないでしょうか?

きっと皆さん リキを入れて製作なさった作品だと思います。
やっぱり サンドばかりの作家さんの中で展示するのですから 恥ずかしい作品は出したくありませんものね~(笑)

入場無料なんですよ♪
是非 お越し下さいませ。
(常設展は入場料が必要です)

それと6月5日からは アメリカ・テネシー大学美術館での展示も始まります。
こちらは 是非♪と気軽に申し上げる距離ではありませんので(笑)
新型インフルエンザもまだあるようですしね~。
私もアメリカへは行きませんし…後日の報告を待ち
皆様にもお知らせ致します。

プロフィール

reiko

Author:reiko
サンドブラスト技法を中心にしたガラス作家です。
ガラス作家の日常を面白おかしく書いています。
どうぞ宜しくお願い致します。

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